昭和25年から33年に掛けてトキ900からの改造名目も含めて1345輛も製造された、国鉄を代表する車掌車がヨ3500です。製造時期によって5タイプに分類されますが、今回模型化したのはヨ3850以降からベンチレータの数の違う2タイプを選びました。Aタイプはヨ3850〜4299までの450輛がプロトタイプで、3950〜4299の350輛はトキ900からの改造名目で作られています。側窓の間隔が広がり、ベンチレータが3個並んでいるのが特徴です。Bタイプはヨ4300〜4814の515輛がプロトタイプで、4300〜4399の100輛はトキ900からの改造名目で連結器、車輪やブレーキ装置などが流用されています。こちらはベンチレータが2個になり、ストーブの位置がずれているのが特徴です。どちらも全国津々浦々、各地で活躍する姿を目にする事が出来ました。その後、ヨンサントウへ向けてヨ3500も2段リンク化改造を受け、可成りの輛数がヨ5000へと編入されています。しかし、碓氷峠を越える列車は推進時の坐屈の問題から、北海道と四国内の列車は速度が遅いため、ヨ3500のままとされました。その結果、今もJR北海道で現役で活躍しているのは、驚くべき話です。
製品化に辺り、左右で形状の違う信号煙管や、車掌車用のKL形車軸発電機など、専用部品を新規に製作、更に幅よりも奥行きの方が大きい電池箱や、側板の直ぐ裏側にある窓枠、室内に吊られているため奥まった所に付いている出入り口の扉など、実車の持つ表情を細部まで丁寧に模型化致しました。更に、各年代による外観の変化に対応出来るようになっています。具体的には、信号煙管の有無、尾灯円盤の有無、手ブレーキハンドルの形状の違いです。是非、お好みの1台に仕上げて下さい。
製品にはカプラー以外全て入ってますが、実車のデッキ上面がレール面から1,030mmと低いため、スケール通りに製造するとKDカプラーを取り付ける事が出来ません。その為、カプラーヘッドが上方へオフセットしたIMONカプラーのHO-102が標準指定となります。別途お買い求め下さい。
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