鋼体化客車 冬姿セット

HO Scale Model

左からウエバスト暖房機、燃料タンク、T字形煙突

 北国で運行される混合列車では、冬場の暖房が問題でした。機関車の次位に客車が連結されていれば良いのですが、間に貨車が挟まる事が多々あり、その際には簡易暖房車の連結や、ダルマストーブを設置する必要がありました。昭和29年に北海道でウエバスト暖房機の試験が行われ、その結果がとても良好だった為、それ以降北国の混合列車用の客車に順次取り付けられて行きました。しかし、昭和40年代でもダルマストーブだった車輌もあり、その改造の基準は今ひとつ不明です。また製品名が鋼体化客車・・・となっていますが、北海道などではオハ35、スハフ44、オハフ46など、他の客車に取り付けられていた例もあります。

 ダルマストーブは、1輛に2ヶ所取り付けられるのが標準でした。その際、椅子を一個取り外してストーブを置き、ベンチレータの穴を利用して煙突を取り付けました。緩急車の車掌室にも取り付けられる事がありましたが、全車に取り付けられていませんでした。合造車の場合は、客室に1個、郵便室や車掌室にそれぞれ1個取り付けるのが一般的でした。
 
 ウエバスト暖房機ですが、燃料タンク共々大きさが何種類かあります。今回模型化したのはその中でも一般的なタイプで、実車を計測した実寸に基づいて製品化しました。この暖房機の取り付けも基本はダルマストーブと同じですが、暖房機の取り付け位置とダクトの形状は1輛毎に異なると言っても良いほど個体差が大きく、実車には適当に取り付けられているのか?と思いたくなるほどです。

 製品は色々な車種に対応出来る様、下記の通りダルマストーブ用のT字形煙突とウエバスト暖房機が各3個、燃料タンクが2個入っています。燃料タンクは基本的にレール方向に向いて取り付けられ、給油口が側板側へ向きます。またt0.3、幅1mmの帯板で横梁を再現すると、より実感的になります。

セットの内容